行方不明になった相続人の探し方!見つかった後の対応もあわせて紹介
遺産相続の手続きは、残された家族にとって大きな負担となりがちです。特に、連絡の取れない相続人がいる場合には、遺産分割の協議が思うように進まず、手続きが滞るケースも少なくありません。そこで本記事では、行方不明の相続人を探す方法と、見つかった後の適切な対応について解説します。
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遺産分割協議は相続人全員で行わなければならない
遺産分割協議とは、被相続人の財産をどのように分けるかを、相続人全員の合意のもとで決める手続きです。重要なのは、「全員の合意」が必要だという点です。長年連絡が取れていない相続人であっても、法律上は正当な権利を持っているため、該当者を除外して協議を行った場合、結果は無効になります。
また、相続人の中に行方不明者がいると協議自体が始められず、相続財産が凍結されます。預貯金の引き出しや不動産の処分などもできなくなるため、まずは所在を確認することが重要です。
行方不明になった相続人の探し方
所在が分からない相続人を見つける際は、いくつかの方法を組み合わせて調査しましょう。まずは自分でできる範囲の方法を試し、見つからない場合は専門家への依頼を検討します。以下では、個人でもできる基本的な調査から、専門家に依頼する方法まで、行方不明になった相続人の探し方を解説します。
戸籍附票をたどって住所を調べる
行方不明者の居場所を探す際の第一歩が、戸籍附票の取得です。戸籍附票は、本籍地のある役所で請求できます。戸籍附票の請求には、請求者と行方不明者との関係を証明する書類が必要な場合があるため、事前に必要書類を確認しておくとスムーズです。
親族・知人に聞き込みを行う
過去に関わりのあった親族や、知人への聞き込みも効果的な方法です。相続人と過去に関わりのあった人物に連絡を取り、現在の連絡先や生活状況などについて情報を得られないか尋ねてみましょう。詳細な情報が得られなくても、手がかりになる可能性があります。聞き込みを行う際は、きちんと事情を説明し、丁寧に協力をお願いする姿勢が大切です。
SNSやインターネットを活用する
近年では、SNSを利用して近況を発信している人も多いため、FacebookやInstagramなどのアカウントを検索してみるのも1つの手段です。まずは行方不明者の名前で検索し、SNSのアカウントがあるかを確認しましょう。また、同窓会サイトや趣味のグループなど、本人が関心を持ちそうなコミュニティを探してみると、思わぬ発見がある場合もあります。
探偵に調査を依頼する
自力での調査が難しい場合は、探偵への依頼も検討してみましょう。探偵事務所は、聞き込みや張り込みといった手法を用いて、本人の所在を調べてくれます。費用はかかりますが、早期に解決を図りたい場合は有効な手段です。
相続人が見つかった後の対応
相続人を見つけた後は、慎重な対応が求められます。いきなり書類を送付したり、相続について強く主張したりすると、相手の不信感を招くかもしれません。まずは手紙などを通して、丁寧に以下の内容を伝えましょう。
- 被相続人の氏名
- 相続が発生したこと
- 遺産分割協議を行う必要があること
- 話し合いの場を設けたいこと
- 自分の連絡先
初回の連絡では、相続財産の詳細など踏み込んだ内容までは伝えない方が無難です。相手の気持ちにも配慮しながら、信頼関係を築くつもりで進めていきましょう。
相続人を見つけて手続きを滞りなく行おう
本記事では、行方不明の相続人を探す方法と、見つかった後の対応について解説しました。相続人探しは簡単ではありませんが、円満な相続手続きのためには避けて通れないステップです。本記事で紹介した内容を参考に、できる範囲で相続人を探してみてください。全ての相続人が納得した上で行えば、故人の意思を尊重した円満な相続が実現できるでしょう。