企業の採用調査は違法?合法的に調査を行う方法やポイントを解説
企業が優秀な人材を採用するには、応募者の資質や経歴を適切に把握しなければなりません。手段の1つとして採用調査がありますが、応募者のバックグラウンドを調べる行為が法的に問題ないのか不安に感じる方も多いのではないでしょうか。実際、採用調査には守るべきルールがあり、それを逸脱すれば違法と判断されるリスクもあります。
本記事では、採用調査は違法なのか、また実施時にどのような点に注意すべきなのかについて詳しく解説します。
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企業による採用調査は違法なのか
採用調査そのものは、適切な方法で実施される限り違法ではありません。適切な手順を踏んで実施すれば、ミスマッチによる早期離職を防ぐための有効な手段にもなります。ただし、調査方法や内容によっては、個人情報保護法や職業安定法に抵触するおそれがあるため注意しましょう。
採用調査が違法となるケース
採用調査のやり方を誤ると、違法行為とみなされるおそれがあります。以下では、違法とされる代表的なケースを紹介しています。自社の採用プロセスが法的に問題ないか、確認してみてください。
候補者の同意を得ていない
候補者の同意を得ないまま、情報を収集するのは避けましょう。個人情報保護法では、個人データの取得時に利用目的を明示し、本人の同意を得ることが原則とされています。同意を得ていない場合、調査内容が正当でも違法と判断される可能性があります。
採用調査と無関係な情報まで収集する
病歴、信仰、思想など、職務に直接関係のない情報を調査することは、プライバシーの侵害とされる可能性があります。こうした情報は、採用差別の温床にもなり得るため、調査の対象は業務に必要な範囲に絞るようにしましょう。
調査した内容をもとに内定を取り消す
調査結果を理由に安易に内定を取り消すことも、法的リスクを伴う行為です。内定が出た時点で、法的には雇用契約が成立しているとみなされるケースもあるため、内定の取り消しには合理的な理由が必要です。
違法にならないために注意すべきポイント
トラブルを防ぎながら調査を実施するための、基本的なポイントについて解説していきます。
本人から同意を得る
調査を実施する前に、応募者本人にきちんと説明を行い、明確な同意を得ましょう。後々のトラブル予防にもつながるので、できれば書面に残しておくのがおすすめです。
個人情報保護法を守る
収集する情報は、採用判断に必要な範囲に限定しましょう。健康状態や信条、思想などのセンシティブな情報は、原則として収集を避けるべきです。やむを得ず必要となる場合には、法令で定められた例外に該当するかを確認してください。また、漏洩を防ぐ体制を整え、収集した個人情報を厳重に管理することも重要です。
労働法上の制約を意識する
採用調査の結果に基づき、正当な理由なく内定を取り消すことは、労働契約法違反となる可能性があります。そのため、採用調査は内定を出す前に実施した方が良いでしょう。さらに労働基準法では、国籍や信条などを理由とした採用差別が禁止されているため、調査内容にも十分に配慮して行ってください。
信頼できる調査会社を選ぶ
外部の調査会社に採用調査を委託する場合は、実績や評判を確認し、法令を遵守している信頼性の高い会社を選びましょう。不適切な調査を行う業者に依頼した場合、委託元の企業も法的責任を問われる可能性があります。
コンプライアンスを守った採用調査を行おう
採用調査は、応募者の適性や信頼性を見極めるうえで有効な手段です。しかし方法を誤れば、企業の信用や法的責任にかかわる重大な問題を引き起こします。企業の信頼性を高めるためにも、今回紹介したポイントを参考にして、法令を順守しながら採用活動を行いましょう。
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