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初めての依頼を受けた日

皆さん、こんにちは。

相談員のMです。

 

私が初めて一人で相談対応を任された日のことは、今でもよく覚えています。

お相手は30代の女性。話し方も落ち着いていて、初対面ながら理性的で知的な印象を受けました。
でも、話し始めてすぐに目に涙を浮かべ、「こんな話、誰にもしたことがないんです」と打ち明けてくださいました。

ご主人の浮気を疑いながらも、お子さんの前では明るく振る舞い、なんとか家庭を守ろうとしていたそうです。
「子供のためにも、強くならなくちゃと思ってるんです」と絞り出すように言ったその言葉が、私の心に深く残っています。

私は、できるだけ専門用語を使わずにわかりやすく、今後の流れや選択肢について説明しました。
その一つひとつに丁寧に耳を傾け、頷いてくださったのが印象的でした。

調査の結果、ご主人の不貞行為が確認されました。
報告書をお渡しする際、彼女は静かにページをめくりながら、「知ることで前に進めます」と話してくれました。
その表情には、覚悟とともに、ほんのわずかですが安心したような光が宿っていたように思います。

この経験は、今でも私の相談対応の“原点”です。
当時の私はまだ知識も浅く、言葉選びに迷うことばかりでした。
けれど、自分が誰かのお役に立てたという実感が、私自身の仕事に対するやりがいにつながっています。

今でも新しいご相談を受けるたびに、「この方もきっと、葛藤の末にここに来られたのだ」と思いながら対応しています。
どんなにベテランになっても、初心を忘れず、一人ひとりと誠実に向き合うこと。それが相談員としての軸であり、信頼につながると信じています。
「誰にも話せなかった」と言っていたあの女性が、帰り際に見せてくれた笑顔を、私はずっと忘れません。

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