調査員の日常は「待つこと」から始まる
皆さん、こんにちは。
探偵Oです。
探偵の仕事に対して”名探偵コナン”や”探偵はBARにいる”のイメージを持ったり、アクション映画のような派手さを想像される方もいらっしゃいますが、実際には「待つこと」が仕事の大半を占めています。
張り込みは、単に時間を潰しているわけではありません。対象者がいつ、どこから出てくるのかを予測し、集中力を切らさずに周囲を観察し続ける必要があります。
ある日の調査では、対象者が夕方に会社を出てカフェに立ち寄ったまま、3時間以上動きませんでした。
私たち調査員は車中でじっと待機しながら、入り口の位置や照明の加減、近隣の人の動きをすべて記録しながら対応しました。
ようやく対象者が店を出て、見知らぬ異性と合流したときには、外はすっかり暗くなっていました。そこからは緊張感の中で尾行を続け、ホテルに入る瞬間と出る様子の両方を記録しました。
こうした仕事は、単に「動きを追いかける」だけでなく、動かない時間をいかに有意義に使うかにかかっています。
調査員は複数人のことが多いので、待っている間に周辺の情報を整理し、対象者の性格や行動傾向から次の行動を予測して調査員同士で情報を共有したり意見交換をすることも重要です。
この“無の時間”に耐える精神力と、動き出した瞬間に反応できる瞬発力。その両方があってこそ、良質な証拠が生まれます。
探偵の仕事は地味に見えるかもしれませんが、その裏には高度な集中と準備があることを、知っていただけたら嬉しいです。
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