「気づき」が証拠につながる瞬間
皆さん、こんにちは。
探偵調査員Oです。
調査の現場では、「一見、何でもない行動」が実は大きなヒントになることがあります。
特に素行調査の場合、対象者の何気ない習慣や日常の行動に注目することが、決定的な証拠につながるきっかけになることも少なくありません。
ある男性の素行調査を担当したときのことです。
依頼者からは「最近、帰宅時間が不規則になった」「休日に外出が増えた」との情報をいただきましたが、行き先や相手については不明でした。
最初の数日は特に変わった行動は見られず、対象者はいつも同じ時間帯に最寄りのコンビニに立ち寄るのが日課のようでした。
しかし、観察を続けていると、そのコンビニに、必ずといっていいほど同じ女性が現れることに気づきました。
彼女は店に入ってもすぐに買い物を済ませ、対象者と会話することもなく、まるで偶然を装っているかのような自然な振る舞いでした。
ただ、不思議なことに、対象者が店を出たあとに、少し遅れてその女性も動き始め、結果として同じ方向へ歩いていく場面が複数回見られたのです。
私たち調査員はそこに“違和感”を覚え、調査体制を強化。
ある日、対象者がその女性の後を追うようにして、離れた場所にある個人経営のカフェへ向かったのを確認しました。
店の奥には半個室のスペースがあり、二人は並んで座り、リラックスした様子で会話していました。
この時点で、二人の関係が“偶然の重なり”ではないと判断。
その後も数回にわたって同様の接触が確認され、やがてラブホテルへの出入りも確認。
写真と映像を組み合わせ、行動の連続性を裏づけた報告書を提出しました。
この一連の調査で重要だったのは、「同じコンビニに立ち寄る」という、一見すると無意味に見える習慣に対して、私たち調査員が見逃さず注視したことです。
すぐに明確な証拠が出るとは限らないからこそ、小さな違和感を大切にする姿勢が求められます。
探偵の仕事は、派手なアクションではなく、こうした小さな「気づき」の積み重ねによって成り立っています。
その一瞬を見逃さないために、私たちは今日も現場で目を凝らしているのです。
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