報告書は「読むもの」ではなく「伝わるもの」であるべき
皆さん、こんにちは。
統括部長のTです。
探偵が作成する「調査報告書」は、ただの業務記録ではありません。
それは依頼者の人生に関わる、大切な“判断資料”であり、“信頼の証”でもあります。
私たちが報告書を作成するとき、最も大切にしているのは、「読む人にきちんと伝わるものにする」という視点です。
どれだけ調査を頑張っても、それが正確に伝わらなければ意味がありません。
依頼者の多くは、こうした報告書を見るのが初めての方です。
ですから、写真をただ並べるだけでは不十分です。
「この写真は何を意味するのか」「なぜこの行動が問題なのか」を、言葉で丁寧に補足しながら構成します。
また、報告書は弁護士などの第三者が見ることもあります。
そのため、法的視点にも配慮し、対象者の行動が“継続的・具体的”に記録されていることが重要です。
曖昧な表現は避け、日時・場所・状況を明確に記載することで、客観的な証拠価値を高めています。
私たちの報告書では、1枚の写真にも説明文を添えます。
「◯月◯日 19:45 対象者が女性と◯◯ホテルに入る様子。笑顔で会話し、肩に手を添えていた」といったように、行動の背景まで分かるように心がけます。
さらに、ページ構成にも工夫を加えています。
ただの“記録の羅列”ではなく、対象者の行動が時間の流れに沿って追えるようにストーリー性を持たせています。
これは、読む人の理解を助けるだけでなく、調査全体の説得力を高める効果があります。
過去にご相談を受けたある依頼者は、「読んでいて涙が出た」とおっしゃいました。
それは決して悲しい内容だからではなく、「丁寧に扱ってもらえたことが伝わったから」とのことでした。
私たちは、報告書という“紙の資料”に、人としての誠意とまごころを込めることができると信じています。
調査報告書は、証拠であると同時に、“その人のための記録”でもあります。
読む人に届くこと、伝わること。
その積み重ねが、探偵としての信頼につながっていくのだと、私は信じています。
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