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目撃情報の真偽を見極める

皆さんこんにちは。調査員Oです。

 

「夫が駅前で見知らぬ女性と歩いていたのを見た」

「知人が、妻がカフェで男性といたと言っていた」

 

こうした“目撃情報”をもとにご相談をいただくことは少なくありません。

 

しかし、実際の現場では「見た」という言葉の裏に、多くの誤解や錯覚が潜んでいることがあります。

 

例えば、ある依頼では「夫が女性と腕を組んでいた」という目撃談から調査がスタートしました。

ご本人は確信に近い様子で来所されましたが、相談員から目撃談を共有され、そのまま調査を進めた結果、その女性は長年の同僚で、対象者はただ荷物を持ってあげていただけという場面がありました。

 

誤解を生んだのは、駅の混雑したホームで一瞬だけ重なった“距離感”でした。

 

目撃情報は、たしかに重要な手がかりではありますが、それが必ずしも“証拠”になるわけではありません。

 

私たち調査員が意識するのは、「その場の文脈」を読み解くことです。

時間帯、周囲の状況、対象者の表情や動き。これらすべてを複合的に判断し、映像や写真だけでなく、観察記録とともに丁寧に検証していきます。

 

別のケースでは、複数の目撃証言があったにも関わらず、当該日時に対象者が全く別の場所にいたことがGPSと交通履歴で判明。

情報が錯綜する中、確実に「事実」に基づいて報告できたことで、依頼者は安心された様子でした。

証言が間違っていたというよりは、“似た人”を見間違えたというケースだったのです。

 

探偵の仕事は、目撃されたシーンをなぞることではなく、「その情報が本当に事実なのか」を中立の立場で検証することにあります。

 

感情的になりがちな状況だからこそ、私たちは冷静さと慎重さを持って現場に臨みます。

もちろん、目撃情報が有力な手がかりとなり、真実を突き止めるきっかけになることもあります。

しかし、そこに過度な期待や先入観を持ちすぎると、調査の方向性を誤ってしまうリスクもあるのです。

 

情報はあくまで「スタート地点」。

私たちが重視するのは、“目で見た事実”と“行動の整合性”です。

そこから初めて、依頼者の納得につながる報告書を作ることができます。

 

私たち調査員としての誇りは、「真実に忠実であること」。

目撃されたその一瞬に惑わされず、背景を丁寧にすくい取ることが、私たちの役目です。

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